〜すべての道はノーカに通ず〜

前回のブログでも書かせていただきましたが、僕は元々鍼灸師でした。
 
それが縁あり家業である農家を継ぐ事になったのですが、そこに至るまではかなりの紆余曲折がありました。

紆余曲折と言うと大げさに聞こえますが、要は人生を迷走していたわけですね。

それこそ20代の頃は「鍼灸を極める」くらいの勢いで情熱を燃やしていたのですが、けっきょくうまくいかないことのほうが多く、両親、家族を含め、周りの方々にもずいぶんとご迷惑をお掛けしました。

でも現在、自分が結婚し家庭を築き、そして子どもを授かり、さらに父から農業経営を譲り受ける立場になって、あらためて気づくのは、「今まで生きてきた人生は無駄ではなかった」と言う事です。

人間は常に、「今」を生きているわけですが、「過去」をそこに上手に結びつけることができるなら、結局、無駄なことなどこの世に何一つ無いのではないでしょうか。

その「今」の積み重ねが、「未来」へ続く道筋であるわけなので、「時間」をどう有益に使うかどうかが、よりよい人生を生きるための標となるのではないかと考えております。

実際、今は農家の仕事で精一杯で鍼灸師としての活動は、ほぼ行っていないのですが、それでも僕は鍼灸が大好きです。

鍼灸師時代に培った勉強、社会経験、大切な仲間、ご指導賜りました先生方、一見は農業と関係無い気もしますが、振り返ってみると、総てが間違いなく今の僕の人生の糧になっている気がします。

そして、鍼灸師として活躍する夢はある意味では敗れた訳ですが、そう言った経歴もあり、僕は同じ業界の先生を非常に尊敬しております。

鍼灸、柔整、あん摩マッサージ指圧師……自分が先生と言う立場で、患者さんに幸せを与えて生計を立てている方々に、本当に敬意を持っています。

それは僕が、若い頃にどうしてもやりたかったけど、けっきょく叶わず、実現出来なかった事です。

もちろん僕も人間ですから、正直に言えば羨ましい気持ちもありますが、実際は尊敬の気持ちの方が強いです。
 
人間と言う生き物は、命が続く限り、悩みは永遠に無くならない物だと感じます。

僕も毎日、仕事に悩み、お金に悩み、人間関係に悩み、そして人生に悩みます。

だけど、それでも、毎日畑に出て汗をかきながら作物を管理していると、どこからか爽やかな風が吹きます。

自分が毎日愛でている作物の花が咲き、やがてはそれが実になります。

そんな時、僕は、今、「生きているんだな」と実感します。  

自分は、今、「決して間違ってはいないんだな」と実感します。

20代の頃に予想していた道よりも、かなり外れてしまいましたが、僕は、今、幸せです。

辛いとき、苦しいときほど、人生の答えは1つではない、と、毎日自然が教えてくれる気がします。

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