〜松浦農園土壌改良総論〜

よく、農業と言えば「土づくり」と言われますが、僕も農家の端くれとして、それは確かに大切だと思います。

しかし、僕は「土づくり」いわゆる「土壌改良」は、ある一定の段階を過ぎると、「終了する」ものであると認識しております。

これは長年に渡り、土壌改良を研究している方は、多分ご理解いただけることだと思いますが、別にやる必要が無くなっちゃうんですね。

ちなみに今回触れる、「土づくり」「土壌改良」については、プラソイラなどで機械的に畑のをを改良する話ではなく、「土壌微生物」についての見識になります。

農業を学び、土づくりを行う過程で、必ずと言っても良いくらい農家がたどり着くのが、この「土壌微生物」であります。

そして、その「土壌微生物」について学んで行くと、最終的には「土着菌の活動サイクルをいかに高めるか」に辿り着きます。

この話の場合の「土着菌」とは、「その場に古くから、ずーっと根付いている菌」と言う意味です。

世の中には沢山の「微生物資材」がありますが、僕の考えでは、それらを使用しても、結局は「土着菌」の「構成」は変わらないと思うんですよね。

「土着菌」は、それこそとんでもない期間、その土壌に居座り続けている訳でありまして、恒常性を保つために排他的な力が強く、「そこに何か他の菌」を投入したところで、最終的には淘汰されてしまう僕は認識しております。

分かりやすく、あえてかなり極端に言うならば、海の水をヤカンのお湯で温めるような話です。

しかし、「微生物資材」が土壌改良に役に立たないかと言われると、決してそうではなく、色々複雑な過程を省いて説明するならば、最終的には「土着菌の働きを高める」事に繋がって行きます。

ちなみに、「根粒菌」や「菌根菌」など、植物体に寄生する菌の話になるとまた色々変わってくるので、あえて今回は触れませんが、とにかく、「土壌微生物」を「動かして」「畑を良くする」には、その場に古くから滞在している「土着菌」の働きを高める事が何よりであると考えております。

また、「土壌改良」という言葉は、ある意味語弊があるとも言えまして、「土壌」を「改良」すると「微生物の働き」は変わりますが、「土」つまり、「土質」は基本的にはそのままであると認識しています。

つまり、「粘土」は「粘土」、「砂」は「砂」のままです。

ただ、「その中の土着菌に変化がある」と言うわけです。

まあ、厳密に言えば、気の遠くなるような時間をかければ、おそらくは「土」自体も変わっていくのでしょうが、我々が現役で農業ができる数十年単位では、基本的に変わらないと思います。

それで、「畑に古くから根付いている」「土着菌」の活動を高めるコツを掴むと、ある意味で「土壌改良」は「終了」してしまうのです。

「土壌改良」=「微生物を増やすこと」ではありません。

「土壌菌を覚醒させ」、「土着菌のサイクル」を上手く回してやれば、あとは、その理想的な状態をずっと「維持」していけば良いだけです。

なんとなく、農業初心者や、昔の僕ような夢見がちの方々は、「土壌改良を極めれば素晴らしい作物が沢山取れる!!害虫や病気にもならない!!」みたいな事を考えたりするのですが、そんなことは無いと思います。

しっかりと「土壌改良」をしても、普通に虫や病気は出ます。

ただ、「土壌改良」をしないよりは「虫や病気な出にくくなる」のは事実だと思います。

その理由について触れると、ブログ1記事ではとても終わらないので割愛させて頂きますが、とにかく「土壌菌」を「活発化」させ、あとはそれを「維持」していけば、僕の考える「土壌改良」は「終了」します。

それで、あえて僕が栽培しているスナップエンドウやキュウリを例に挙げさせていただきますが、結局どこまで行っても「スナップエンドウ」は「スナップエンドウ」だし、「キュウリ」は「キュウリ」なんですよね。

当たり前と言えば当たり前ですが、土壌改良を極めたからと行って、スナップエンドウが50メートルまで伸びたり、キュウリの糖度が30度にはなりません。

遺伝子操作でもしない限り、農業では「作物が本来持っている力」以上の物は引き出すことはできませんよね。

それで、じゃあどうしたら「土壌改良」の「鍵」である「土着菌」の「働きを高める」事が出来るのかと言うと、平たく言えば、

「良質な有機質」を「定期的」に「適量」を守り「入れ続ける」だけです。

もちろん、これは土壌の水分や酸素云々は省いての話です。

細かく触れすぎると、いつまで経ってもブログが終わりません。

と言うことで、書くことが膨大になり過ぎる前に、記事を閉めようと思うのですが、これはあくまでも「僕の土壌改良の考え方」です。

100人農家さんがいらっしゃれば100通りの答えがありますし、我々人間が理解している事など、実際はこの宇宙の千兆分の一にも満たないのでは無いでしょうか。

なので「僕は決して自分の考え方が間違いなく正しい」とは思っておりません。

ただ、土壌改良について勉強をしてみたい、と思う方にとって、何かかのお役に立てればと思い、ここまで書いてみました。

最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。

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