〜点滴土を穿つ?〜

僕が農業経営を譲り受けてから、とにかく松浦農園を継続させるために日々栽培技術についての勉強を重ねていたのですが、当然ながら、植物はなんと言っても水が命であります。
露地の作物の場合は丁度よいタイミングで雨が降れば、潅水についての心配はあまりいらないのですが、ハウス栽培の場合はどうしても、どこからか水を引っ張ってくる必要が有るのですね。
それで、僕はスナップエンドウやキュウリなど、営利目的で栽培する農作物には必ず、冒頭の写真にある、「点滴灌水チューブ」と言われるものを愛用させていただいています。
松浦農園で使用しているものは、「四万十チューブ」と言う名称でありまして、高知県のメーカーさんから取り寄せているのですが、とにかく点滴灌水チューブを使うと、ポンプにより地下から汲み上げられた水が、非常にうまく土に滲みます。
まさに、病院で看護師さんに処置して頂く点滴治療のような感じで、「ポタッ」「ポタッ」とゆっくりと1滴ずつ水が落ちるのですが、これがミソでありまして、作物の根に対してかなり有効な潅水効果があります。
じゃぶじゃぶと激しく水をかけないため、その結果、根っこを傷付けるリスクもかなり下がります。
もちろん、農業を行う上で、「保水性」の良い土を作るための土壌改良を行う事も非常に大切なのですが、今回の話はベクトルの違う意味合いになりますね。
例えばですが、カラッカラに乾いた地面に、いきなりスコール、つまり土砂降り、いわゆる豪雨が降りそそぐといたします。
それなりに農業経験がある方はご存知だと思われますが、こう言うケースの場合、「大量に雨が降った」ハズなのに、「意外に地面に水が染みない」んですよね。
逆に、「しとしとと、ゆっくり降る雨」のほうが、地面が水を弾かないためなのか、土壌に水分がイイ感じで染み渡ります。
ちなみに、一説によりますと、1番地面に染み渡る自然界の水分は、雪解け水だそうです。
雪解け水はゆっくり、じっくり、じんわりと地面に染み渡ります。
それで、この点滴潅水チューブは、前述した、「ゆっくり」「じんわり」を、人工的に再現することができる優れものなのですね。
ちなみにこのチューブは、元々イスラエルで開発されたと言われております。
実は、イスラエルは農業技術の高さで有名でありますが、日本の様に「水」が「豊富」に使えない環境にあったのですね。
なので、「少ない水」をいかに「有効活用」できるかを考えて、その結果、この「点滴灌水チューブ」が誕生したわけです。
イスラエルの農家さんたちは、「水」と言う「資源」が少ないから、その分「勉強」して、なんとか農業を行おうと、「対策」をし、その結果、「農業技術」が向上したと考えられております。
まあ、とにかく、農業を学べば学ぶほど、点滴灌水チューブは、とにかくメリットだらけです。
他の潅水チューブに比べて、多少お値段は張りますが、とにかく、良い作物を栽培するためには「水」は肝要です。
そして、「水」の「与え方」も、ものすごく大切であると、僕は考えております。
僕の中の感覚では、「水」もある意味、「肥料」です。
農業は、本当に知れば知るほど面白いです。
