〜ただより高いものは〜

そうですね、基本的に農業の根底には太陽と雨があると思うのですが、この二つは特殊な極めて状況を除けば、「無料」であります。

さらに、地面に多数存在する植物の根と共存するバクテリア、また、適度に圃場に吹く風なんかも、作物の生育には非常に大切です。

元来、「農業」という物は、「自然界」つまり、ある意味「無料」のものを活かす産業であると僕は考えております。

もちろん、これは僕の個人的な考え方なので、この理論が正しいか正しくないかと言った話ではないのですが、とにかく「無料」の物に、「幾分かの投資」をして、「利益」を得るのが「農業の本質」なのではないでしょうか。

しかし、ここ近年、農業を営む上で特に実感いたしますのが、「無料」である「自然界」が、どんどん「極端化」してきております。

この背景には「地球温暖化」がある事は間違いないと思うのですが、これは農業で生計を立てている身としては、かなりキツイ話でもありますね。

ただ、近頃の異常気象を「ただ単に周期の問題」や「金星の位置関係」などが原因であると判断している方もおります。

もちろん、僕はこういった理論、考え方を否定するわけではないのですが、その話とは違うベクトルで、今現在、間違いなく「地球は傷んで」います。

なので、そう言った古典の気象学云々の前に、「温暖化により、地球という星が壊れかけている」という事実を踏まえて行くことが、結果的に、より現実的な対応に繋がるのではないでしょうか。

それで、とにかく全国の農家の皆様は身に沁みて分かっていると思いますが、ひと言で言えば、近年、「天気」が「極端」なのです。

これは、非常に、農作物が栽培しにくい状況です。

特に露地作物の場合はそれが顕著であり、これから先は、個人個人の各農家が、今よりもっと自然環境への対策を練っていかなければ、普通に営農を継続するのが困難な時代になっていくと思われます。

地球温暖化により、今まで「普通に出来ていた」ことが、明らかに「普通に出来なくなって」います。

正直、僕のような人間が農業の未来を語るのは非常におこがましいのですが、おそらくですが、地球温暖化がこのまま進行していけば、未来の農家は、ほぼ全てが「施設園芸」に切り替わってしまうと思います。

露地栽培で当たり前に作物が収穫でき、それで生計を立てていた事が信じられない時代が、いつかはやって来るのではないでしょうか。

もちろん、そう言った切羽詰まった状況になるのは、まだまだ先の未来ではあると思いますが、今のうちに、自分の頭の片すみに置いておくのは大切だと思います。

総ての生き物は古来より、生き残りをかけて環境に適応することで、種の保存と存続を繰り返してきました。

農家が、生き残りをかけていく試行錯誤して行く時代はもう、始まりつつあると感じます。

こんな時、なんとかなるのは「自分自身」です。

だって「自然環境」は「変えられません」が、「自分自身」は「変えられます」からね。